小学校プログラミング教育の手引(第一版)が公開

先月、文部科学省より「小学校プログラミング教育の手引(第一版)」が公開されたので、早速読んでみました。

一番最初の例にあげられているのが「辺の長さが全て等しく、角の大きさが全て等しい」という正多角形の意味を用いて正多角形を(プログラミングによって)作図するという課題です。

確かに、プログラミング向きの課題ではありますし、小学校でならう他の教科と関連づけられていますね。

でも、せっかくプログラミングを学ぶならなら、もっと面白くて、プログラミングと関連する教科も楽しんで学べる方法があるんです!その方法とは…?

私は小学生にプログラミングを教えるには、ゲームを作るのが一番良いと思っています。

ゲームをプログラミングするには、他の教科で学んだ内容を使う必要があります。

足し算やかけ算は何に使うのか、小数って何のためにあるのか、それを何かに使って実際に役立てる経験として、ゲームプログラミングをするというのはとても良い教材になります。

使って役立てるのと、単に題材にするというのは全然ちがいます。

単に「座標の数字を変えると、画面の点が動くプログラムを作る課題」と「ゲームの中で画面のネコを狙った場所に動かすためにX,Y座標を使ってプログラミングする課題」。

後者のほうが「算数って便利だな、もっと勉強しよう!」となるのではないでしょうか。

文科省の調査:今の高校生には知識を活用するチカラが足りない

現在、9割以上の高校生はスマートフォンを持っています。
小学生などに比べると、情報機器に接する機会もかなり増え、タイピングのスキルも高くなってきています。
それにもかかわらず「情報活用能力があまり向上していない」という調査結果が文部科学省から発表されました。

たくさんの課題

結果を抜粋してみると….

  1. 複数の情報がある多階層のウェブページから,目的に応じて特定の情報を見つ け出し,関連付けることができない。
  2. 複数の統計情報を,条件に合わせて整理し,それらを根拠として意見を 表現することができない。
  3. 自動制御に関する情報処理の手順を考え,アルゴリズムを用いて表現することができない。
  4. 情報の発信・伝達の際に,他者の 権利(肖像権や著作権)を踏まえて適切に対処することや,不正請求の メールやサイト等に対処できない。
  5. ある事象の原因や傾向を推測するために,どのような情報が必要であるかを 明確にすること。 多項目かつ桁数の多い数値のある表で示された統計情報を,表計算アプリ ケーションを使って,数的な処理をすることができない。

色々と課題があるのですね。

対策は…?

対策のために2020年からのプログラミング教育の導入などが議論されています。

従来の指導要領だけではこういったスキルが身につかないから、ということなのでしょう。

しかし、現在の中学生高校生にとっては、それを待っているわけにはいきません。
待っている間に卒業・就職する時期が近づいてきます。

このような情報活用能力を身につけるには、どうすれば良いのでしょうか?

次回に続く…

 

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1381046.htm

 

ゲームプログラマーになるには?(後編)

前回は、ゲームプログラマーになるための3つの条件のうち、2つについてお話ししました。

前回の記事はこちら→ゲームプログラマーになるには?(前編)

ゲームプログラマーになるための3つの条件のうち最後は「数学と物理の知識」です。今日はこれについてお話しましょう。

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「プログラミング必修化」に関する議論

2020年に、義務教育でプログラミング教育が必修化されることになりました。

これについては、さまざまな議論があり、「課外活動や習い事で学ぶならまだしも、授業に入れる必要はない」など、反対の意見をもつプログラマーもおられます。

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プログラミング学習と相性が良いプロジェクト型学習

プロジェクト型学習の特徴について、前回お話ししました。

今日は、プログラミング学習との関係についてお話ししたいと思います。

プロジェクト学習がプログラミング教育は、とても相性が良いのです。その理由を説明しましょう。

工夫と努力次第で何でも作れるから創造性を発揮できる

プログラミング学習では、何を作るにしても、必要な材料はパソコンだけです。

よほど特殊なプログラムでないかぎり、どんなに大きなプログラムでも1台で作る事が可能です。

すごく頑張ってプログラムをつくる子どもがいても、パソコンの容量が足りなくなることはありません。

パソコンの性能が低いから作れない、といったこともありません。

作るものの内容は、アイデア次第ということです。

逆に、プログラミングではなくリアルのモノ作りをテーマにしてプロジェクト型学習をする場合、例えば材料がブロックなら、ブロックの量に制限されてしまうので、工夫の余地が狭まってしまいます。

プログラミングなら、アイデアしだいでいくらでも成果を出せると言うわけです。

他者と協力する意義を体感し、スキルを身につけられる

小さなころから「お友達とは仲良くしましょう」「けんかはやめましょう」等と大人から言われています。

でも、なぜお友達とは仲良く、けんかをしてはいけないのでしょうか。

皆が幸せに生きていくことが目的であって、仲良くすることが目的ではないですよね。

チームで取り組むプロジェクト型学習では、結果を出すためには協力しなくてはなりません。

バラバラのチームではたいした成果を生み出せない、ということを身をもって知ることができるのです。

コミュニケーションが取れなければ、一人でしか仕事ができないことになります。

そうなると、できる仕事というのは非常に限られてきます。

ルーチンのみの仕事や、自分一人ですべてをできる範囲に制限されてしまいます。

アイディアも狭くなるし、自分のスキルに縛られてしまいます。

このようなことも、プロジェクト学習で知ることができるのです。

例え、飛び抜けて何かに秀でている子どもでも、様々な課題に対して安定して結果を出し続けることは出来ません。かならず苦手なことがあるからです。

だから、他の人と協力し、より良い成果を生み出すにはどうしたら良いのか考えます。

チームでの仕事に真剣に取り組む経験は、社会に出てから非常に役に立ちます。

プログラミング学習でも、その内容は多岐にわたります。

  • どんなプログラムをするのか企画すること
  • 使いやすい画面を設計すること
  • 誰が見ても分かりやすい説明文を書くこと
  • ミスなくプログラムを書くこと
  • プログラムのミスを見つけて取り除くこと
  • すみずみまでプログラムをテストすること

などなど沢山あります。

このように必要な役割が沢山あるということは、協業しやすいということでもあります。

1人で3つやる子ども、皆を仕切るリーダー役をする子ども、得意な作業を一手に引き受けて没頭する子ども….。どんなチームになるのか、どんなチームにするのか、選択肢は無限にあるので、全て参加する子ども次第になります。

これが、チームワークを学ぶ上で非常に良い結果につながるのです。
海外では、特定の分野に秀でた才能を持つ子どもや、IQの高い子どもをギフテッドと呼び、特別な教育を受けさせることがあります。

その中でも、プログラミングを使ったプロジェクト型学習がよく使われています。

そのような子どもは、得意なことは非常に能力が高いが、不得意なことは全然ダメという子どもが多いのです。

そんな子ども達にとって、重要なのは、自分の得意なことを最大限活用すること。

そのために、コミュニケーションや協調性を訓練し、チームに貢献できる社会性を身につけることです。

それにはプロジェクト学習が最適なのです。

プロジェクト型学習とは

プロジェクト型学習、という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

様々な教育の場で取り入れていこうと、最近注目をされています。

プロジェクトとは、何らかの目的を達成するための計画のことを指しますが、プロジェクト型学習では、一定の期間、人材(チームまたは個人)を使って何らかの取り組みをして、最後にその成果発表をするという学習法です。

このプロジェクト型学習は、プログラミング教育とも相性がよく、多くの教室で取り入れられています。

特徴について説明していきましょう。

人によって得られるもの・学ぶことは違うけれど

人によって取り組む内容やアプローチが違うので、1回のプロジェクト型学習をしても人によって得られるモノ・学ぶことは違ってきます。

チームでやる場合は、特にそうです。

なぜなら、習熟度も、得意・苦手分野も、嗜好や背景も、全部ちがう子ども達を1つのチームに集めて取り組むのですから、チームの中で役割を分担する必要があります。そうすると、同じ時間、取り組んでいても、やっている内容はまったく違うものになります。しかし、それぞれが主体的に取り組んでいるので、学べることの量は多く、質も高くなるのが特徴です。

大きな達成感を得られる

プロジェクト型学習では、最後にプレゼン発表や、コンテストをします。

限られた時間の中で集中して取り組んでいるので、最後のイベントによって大きな達成感が得られます。

これは主体的に問題に取り組んでいく事への大きなモチベーションに繋がっていきます。

チームで仕事をするスキルを育てられる

チームで1つの目標に向かって作業するには、互いに真剣に議論したり、自分の得意不得意を主張しつつ、皆のことも考えて役割を分担することが要求されます。

このような経験を増やす事で、チームで仕事をするスキルを育てる事が出来ます。

ほとんどの子どもは、多かれ少なかれ、得意なこと・苦手なことがあります。

従来の教育では、全員を全ての分野で一定の(結果として若干低めの)レベルに到達させることが目的になっていますが、それで社会に出て活躍できるでしょうか?

それよりも、苦手なこともあるけど、そこは他の人に上手く補ってもらいつつ、自分がすごく得意なことで貢献していく、そんな人のほうが活躍できると思います。

チームで取り組むプロジェクト型学習では、そんなスキルを伸ばすことができるのです。