「さまざまなソフトウェアエンジニア」の第二回です。
今日は、SI(SESなし)の企業ではたらくエンジニアについて見ていきましょう。
SI(SESなし)
SESについては、前回の記事を参照ください。
さまざまなソフトウェアエンジニアのお金と働き方の話(1)SES編
どんな仕事?
SIとは、システムインテグレータの略称で、ソフトウェアシステムを構築するサービスを提供するビジネスのことです。少し分かりやすいようにSIer(エスアイヤー)ということもあります。
SES無しのシステム構築だけを事業としている企業では、仕事の内容は以下が中心となります。
- 営業活動
- 要求分析
(何をするためのシステムなのか明確にする) - 設計
(何をどんなふうに作るのか検討し明確にする) - 実装
(プログラミング) - テスト
(設計したとおりにプログラミングされていること、分析したとおりの要求を満足できることを確認する)
こういった事業では、企業としては以下のことを重要視します。
- より幅広い業務知識を持ち、より多くの企業のシステムを構築できるようにすること
または、特定業務に精通すること - システムへの多様化する要求(スマホ、IoT、AI、VR…)に答えられるよう様々な技術に精通すること
または、特定技術に精通すること - 同じ時間で、より速く品質の良いものを構築できるようになること
- 正確に要求を見定めて、システム構築に必要な時間を見積もりすること
これらは全て、エンジニアのスキルアップなくして実現できません。
メリットは?
したがって、エンジニアとしては
- 技術力アップ → 給与アップに繋がりやすい環境
- 「成長できる(技術力を磨ける)環境」である事が多い
作るのが仕事なので、作る技術を磨く機会に溢れています。 - 働く場所について比較的自由。
客先常駐は不要なので、働く場所に関わらず成果をきっちり出せる人なら働く場所について融通が利きます。
※最近は在宅勤務可能な企業もどんどん増えてきています
(年々3倍くらいになっている印象)
デメリットは?
さて、良い事ばかりのようですが、気をつけるべき点もいくつかあります。
- 高い技術力・適応力が求められる事が多い。
ある程度の研修制度がある企業が多いですが、素養によっては個人の努力もかなり要求されます。また、研修期間以降も、次々でてくる新技術に対して適応していく必要があります。
未経験採用のところは少ないので、未経験OKのところでスキルをあげてからこういった企業を目指すのも良いでしょう。 - 作っては次、作っては次、の繰り返しなので、職場によっては、常に納期に追われる事になります。
給与はどんな風に決まる?
こういった企業でもSES中心の企業と同様に、大きな企業ほど給与水準が高い傾向があります。
ただし、SESなしでSIerだけをやっている企業には、大企業というのは少ないと思います。規模的にはベンチャーが多く、せいぜい中小企業レベルでしょう。
しかし、こういった企業の給与は、能力を重視するため社員ごとに大きく違う事もよくあります。
それに加えて、技術的・業務知識的な強みを持っている企業では、大企業に迫るほどの給与水準を持っているところもあります。
どんな人に向いている?
「新しい技術を試して使えるようになるのが大好き」な根っからの職人気質な人に向いています。
未経験からどうすればSI(SESなし)のエンジニアになれる?
少ないですが、未経験可の新卒枠があります。
転職で狙うなら、以下のようなパターンがありそうです。
- 未経験 → SES(~30才くらい) → スキルと実績をつくって転職
- 未経験 → フリーランス(~40才くらい) → 紹介で転職
いずれの場合も、スキルと実績を書類選考の段階からしっかりアピールするのがポイントになります。