最近、Minecraftプログラミングに関するお問い合わせを多くいただいたので、マインクラフト・プログラミングのコースを開講しました。
マインクラフトでは、ゲーム世界の中にロボットを登場させて、それをプログラミングすることで、ゲーム内で必要なさまざまな作業を自動化することができます。(そのための拡張ソフトが必要です)
これをプログラミングの教材として使っているのです。
さて、ちまたには沢山の「ロボット教室」があります。これらも多くは「ロボットをプログラミングして論理的思考能力を身につける」としているのですが、マインクラフトでのロボットプログラミングとはどのような違いがあるのでしょうか?
教材の費用・内容
一般に、ロボット教室の教材費用は非常に高額です。
入会費や月謝とは別に、3万円〜8万円が必要になります。
マインクラフトのロボットプログラミングの場合は、3千円(マインクラフトPC版のライセンス料)だけなので、とても安いですね。
マインクラフトをすでに所有していることも多いですが、その場合は無料です。
ロボット教室の教材の内容は、ブロック型のパーツや、ギア、モーター、センサなどです。自宅でも遊べるようになっていて、オモチャとしても良く出来ているのですが、果たして何年くらい遊んでくれるでしょうか。
マインクラフトの場合は、無料の拡張ソフトが豊富なので、かなり長く遊べる印象があります。
物量的な制約
ロボット教室の教材には、ブロック型のものが多いです。ギアやモーターも付属していますが、その数は限られていて、追加のパーツが欲しい場合は有償になります。
また、物理的なブロックを使って遊ぶには、それなりの物理的スペースも必要になります。
そのため、子どもの方も「このパーツの範囲でできること、この部屋の中に収まること」に制限して遊ぶようになります。
それはそれで楽しいですし、思考の訓練にもなりますが、どうしてもスケールの大きいことは出来なくなります。
マインクラフトでは、ブロックの数も広さも、いくらでも大きい仕組みを作る事が出来ます。
(高さ250メートル相当、面積は6千万メートル四方=地球8個分程度)
実際のところ、使用するパソコンのスペックにある程度制限されますが、普通のパソコンなら、かなり無茶をしても大丈夫です。
学習できる内容
物理的なロボット教材では、ギアやシャフトなどの仕組みの他に、センサやモータを組み合わせたプログラミングが学べます。
空間認知能力や論理的思考能力が学べます。
マインクラフトでは、空間認知能力や論理的思考能力は勿論、カーナビなどについているGPSの仕組みを学んだり、物資輸送ラインを設計したりと、さまざまな技術についても学ぶことが出来ます。
動機付け
物理的なロボット教材は、その教材の作る世界のなかでしか役に立ちません。
ある程度実用的なもの、例えば、人感センサとスピーカーを組み合わせて警報装置のようなものを作ったりもできますが、作ったものをずっとそのまま置いておくわけにはいきません。他のものを作れなくなりますし、子どもにとって便利なものでもないからです。
マインクラフトのロボットなら、大量に作って配置しておくことが出来ます。
子どもが普段遊んでいるマインクラフト世界の中で、かっこいい自動ドアを作れば、ずっとそこに置いて使うことが出来ます。そこを通るたびに満足感が得られます。農作業を代行してくれるロボットを作ったら農場に置いてきます。ゲーム内の事情で農作物が必要になったときに命令するだけで、いつでも大量に手に入れることが出来ます。
ゲームの中で、自分がプログラミングしたロボット達がいろいろな事を助けてくれるので、プログラミングの学習の良い動機付けになります。
デメリットは無いの?
マインクラフトのロボットプログラミングを、一般のロボット教室と比べて、デメリットはないのでしょうか?
以下のような事には注意が必要です。
- 長時間、パソコンを占有してしまう
ほぼ無限に遊べるようになっているので、長時間パソコンを使う事になります。お子さんが専用に使えるパソコンが無い場合は、1日に遊べる時間を決めておくなどの対応が必要になるでしょう。 - 手先が器用にはならない
物理的なロボット教材をつかうと、細かなパーツを扱うので、どんどん手先が器用になります。マインクラフトではマウスクリックとキーボード操作が中心になるため、パソコン操作には慣れますが手先が器用にはなりません。 - 子どもが何をやっているのか良く分からない
親御さんがパソコンの画面を後ろからのぞいていても、全体像が分からないと何をやっているのかほとんど分かりません。熱中して遊んでいるときに話しかけても相手にしてもらえないので、遊び終わった後や、遊び始めるときに「今なにを作っているの?」とか「昨日、なんか喜んでたけど良いことあったの?」などと聞いてみるようにしましょう。
面白そうだな、と思ったら、是非、体験レッスンを受けてみて下さいね。