発達障害とプログラマー

発達障害の方が持つ特性によっては、プログラマーが向いていると言われますね。今日はこのことについてお話します。

発達障害を持つと言われる著名人

有名で世界的に成功したプログラマとして、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏、フェイスブックのマーク・ザッカバーグ氏がいます。彼らは、非常にプログラミングが得意ですが、アスペルガー症候群の特徴があると言われています。

発達障害とは

ひとことに発達障害と言っても、いろいろな特性があります。

  • 広汎性発達障害(PCD)
    • 社会性/コミュニケーション能力を発揮して対人関係を構築するのが難しい。
    • 物事に強いこだわりがある。
    • アスペルガー症候群もこれに分類される。
  • 学習障害(LD)
    • 読む・書く・聞く・計算などのうち特定(複数の場合もある)の分野が極端に苦手である。
    • 上記の能力のうち、苦手で無いものについては逆に人より得意なことが多く、能力に隔たりがある。
  • 注意欠陥・多動性障害(AD/HD)
    • 落ち着きが無い/集中力が無い。
    • 忘れ物が多い/うっかりミスを繰り返してしまう。
    • 上記の理由で日常生活に支障がある。
  • 知的障害
    • 言語能力、運動能力、社会性、適応能力などの発達に遅れがある。

発達障害の中でも、広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥・多動性障害については、診断が難しく、一昔前は「ちょっと変わった人」で片付けられてしまうことも多かったようです。

実は長所も併発することが多い

さて、この3種類の発達障害では、障害のある部分のかわりに、論理的思考能力や創造性、空間認知能力、集中力などが非常にすぐれている人が多いということをご存知でしょうか。

  • 国語の読み書きは非常に苦手なのに、算数の計算だけは一瞬でできる。
  • 落ち着きが無く人付き合いが悪いが、頭脳明晰。
  • etc …

長所・短所の組合せは色々あるので、上記以外にも様々なタイプがあります。

しかし、長所・短所がハッキリしてれば、職業についても向き/不向きが見えてきます。

適合しやすい職業とは

では、これらの長所を活かしつつ短所の影響を抑えやすいのは、どのような職業でしょうか。
特徴をあげてみましょう。

  • 長所を活かしやすい
    • 集中力が必要な細かい作業が多い
    • 合理的である
    • 思考の量・質が価値につながる製品・サービス
  • 短所の影響を抑えやすい
    • 対人接客が無い/少ない
    • 電話応対が無い/少ない
    • 1人だけで遂行できる種類の業務
    • 社員間での対面コミュニケーションが少ない/代わりに電子メールなどを使える
    • 手書き文字の読み書きがない/代わりに電子媒体などを使える

これらの性質のある職業は何でしょうか?

いわゆる「職人」というイメージが頭に浮かんだ方が多いと思います。

ここでやっと本題に戻りますが、職人としての特質が強い「プログラマ」という職業も、このような発達障害を持つ人に向いている職業なのです。

プログラマという仕事の性質と一緒に見てみましょう。

  • 長所を活かしやすい
    • プログラミングには集中力が必要です。ちょっとした中断があるだけで効率が下がってしまうので、集中力が強い人は向いていると言えるでしょう。
    • プログラマが日頃から扱うのは、「プログラム」という合理性のカタマリです。究極的には正しく動くか、動かないかが全てです。
    • 人よりも速く深く思考することができれば、人よりも優れたプログラムを短時間で書くことができます。
  • 短所の影響を抑えやすい
    • プログラマの仕事は「ドキュメント」と呼ばれる指示書を使ったコミュニケーションが多いです。これらの文書は、”行間”を読む必要のない緻密なものが優れている、とされる世界です。あうんの呼吸といったものは要求されないので、コミュニケーション能力に乏しくても困る状況が比較的少ないのです。
    • 20年ほど昔はプログラムやドキュメントを手書きしていましたが、現在ではすべてキーボードで入力するのが当たり前です。手書き文字の読み書きが苦手な人でも苦労することはまったくないでしょう。

いかがでしょうか。かなり適合性が良さそうですよね。

注意点

ここで1つだけ注意点があります。

プログラマとシステムエンジニア(SE)という職業は似ているのですが、システムエンジニアは論理的思考能力だけでなく対人スキルも要求されます。

そして、重要なことは、上記の2つは異なる職業と思われがちですが、実際に完全に分かれているわけではないということです。
特に小さな企業では、社員全員がプログラマもするしシステムエンジニアもする、というケースが多いので注意しましょう。

プログラマになる場合でも、就職先を選ぶときは、以下のことを含めて検討するようにしましょう。

  1. 他の社員が上記のような特性をしっかり理解している。
  2. 組織的に発達障害の特性がもつ短所をサポートする仕組みをもっているか

上記の環境が整っている会社では、発達障害の人が普通のプログラマよりも並外れて優れた仕事をできる可能性が高いです。

最近では、全社的にそういった人たちを活用していこうという会社も出てきています。

http://hataraku-chikara.jp/interview/
互いの欠点を補うことで、誰もが才能を活かせる社会になれば良いですね。

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